トランジスタ/FET接続

トランジスタ/FET増幅

能動素子のトランジスタ/FETをエミッタ/ソース接地回路、エミッタフロワー(コレクタ/ドレーン接地)回路、ベース/ゲート接地回路という基本増幅回路に組むことで電圧増幅または電流増幅、信号加工、数学演算の目的を達する。接地回路の特徴は以下に示す。一言で其々の特徴をいうと、エミッタ/ソース接地が電圧増幅、コレクタ/ドレーン接地は電流増幅、ベース/ゲート接地は高周波に向いている。また互いの良いのを生かすような、能動素子または接地回路の複用また併用することにより更に都合よく増幅可能となる。

増幅回路/特徴電圧増幅度電流増幅度入力抵抗出力抵抗
エミッタ接地 
コレクタ接地 低、約1倍
ベース接地低、約1倍
ソース接地
ドレーン接地 低、約1倍
ゲート接地低、約1倍

同種能動素子の複用

同種とはnpn同士またはpnp同士を指す。ダーリントン接続、カスコード接続(縦積み)、パラレル接続、差動増幅接続、カレントミラー、デュアルトランジスタ等。

異種能動素子の併用

異種とはnpnとpnpの混在を指す。プッシュプル接続、インバーテッドダーリントン接続、多段接続(例、電圧増幅のエミッタ接地回路+電流増幅エミッタフロワー回路)、オペアンプ等。

負帰還、正帰還回路

出力を反転させて入力に帰還する負帰還は周波数特性、歪み、雑音特性、安定性が改善される。出力を反転せずにぞのまま帰還させる正帰還は信号の増幅に伴い雑音もが増幅され、不安定な出力信号をなってしまう。負帰還回路であっても信号の周波数が高くなるにつれて位相が変化し、正帰還になってしまう。正帰還になっても不安定にならないようにコンデンサ等を使って回路の安定性を確保する。

入力、出力インピーダンス

入力抵抗は回路を入力側から見たときのインピーダンスに対して、出力抵抗は出力側から見たときのインピーダンスである。一般的には回路設計の目標として、入力抵抗は大きく即ち電圧を大きく入力して、出力抵抗が小さい即ち電圧を大きく出力可能な回路が好ましい。バッファ回路を組み合わせた多段回路は、出力抵抗を下げることができる。

抵抗、コンデンサ、コイルの併用

分圧の抵抗、結合(カップリング)=ハイパス(パスコン)で直流阻止、交流通過、デカップリング=ハイパス(パスコン)で電源の交流的な抵抗を下げて、安定させるコンデンサ、ハイパスフィルタ(微分回路)、ローパスフィルタ(積分回路)、高域増強、高周波広帯域増強するRC回路、同調増幅するLC回路等と併用する。

参考書籍

定本 トランジスタ回路の設計、鈴木雅臣氏、CQ出版社

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フーリエ変換~ラプラス変換~Z変換

はじめに

プリズムをかけて赤から紫の順に太陽光のスペクトルを表現させるように、フーリエ級数、フーリエ変換・逆変換、ラプラス変換・逆変換、Z変換・逆変換が、関数の(広義的)周波数特性を解析するとき、必ず登場する。フーリエ変換、ラプラス変換、Z変換の計算式および(広義的)周波数領域におけるイメージ表現の例を以下のように示す。

フーリエ級数

周期2Lの区分的に滑らかな周期関数\(f(t)\)は、不連続点を除いて、$$ f(t) = \frac{1}{2}a_0 + \sum_{n=1}^{\infty} (a_n cos\frac{n\pi}{L}t + b_n sin\frac{n\pi}{L}t) $$ で表される。また実フーリエ級数、フーリエ級数の三角関数表現ともいう。
ただし、\(\small a_0 = \frac{1}{L} \int_{-L}^L f(t)dt , \space a_n = \frac{1}{L} \int_{-L}^L f(t)cos\frac{n\pi}{L}tdt ,\) \( \space b_n = \frac{1}{L} \int_{-L}^L f(t)sin\frac{n\pi}{L}tdt \)

また複素フーリエ級数がフーリエ級数の複素表現ともいう。
$$ f(t) = \sum_{n=1}^{\infty} C_n e^{\frac{in\pi t}{L}} ……①$$ ただし、\(\small C_0 = \frac{1}{2L} \int_{-L}^L f(t)dt,C_n=\frac{1}{2L}\int_{-L}^L f(t)e^{-\frac{in\pi t}{L}}dt ……②\)

周期関数\(f(t)\)が偶関数のとき、フーリエ余弦級数となる。
$$ f(t) = \frac{1}{2}a_0 + \sum_{n=1}^{\infty} a_n cos\frac{n\pi}{L}t $$ただし、\(\small a_0 = \frac{2}{L} \int_{0}^L f(t)dt ,\space a_n = \frac{2}{L} \int_{0}^L f(t)cos\frac{n\pi}{L}tdt \)

周期関数\(f(t)\)が奇関数のとき、フーリエ正弦級数となる。
$$ f(t) = \sum_{n=1}^{\infty} b_n sin\frac{n\pi}{L}t $$ただし、\( b_n = \frac{2}{L} \int_{0}^L f(t)sin\frac{n\pi}{L}tdt \)

フーリエ変換・逆変換

\(f(x)\)が非周期関数のとき、周期2L→無限大にすると、フーリエ級数がフーリエ変換(FT: Fourier Transform)・逆変換(IFT: Inverse Fourier Transform)に拡張される。区分的に滑らかで絶対可積分な関数\(f(x)\)について、式②よりフーリエ変換は次の式で表される。\( F(\omega) \)は式②の\( C_n \)に相当する、いわゆる周波数成分となる振幅である。
$$ F(\omega) = \int_{-\infty}^{\infty} f(x)e^{-i\omega x}dx $$
式①よりフーリエ逆変換は次の式で表される。これで\(F(\omega)\)を元の関数\(f(x)\)に戻す。
$$ f(x) = \frac{1}{2\pi} \int_{-\infty}^{\infty} F(\omega)e^{i\omega x}d\omega $$
f(x)が偶関数のとき、フーリエ余弦変換フーリエ余弦逆変換となる。
$$ F(\omega) = 2\int_{0}^{\infty} f(x)cos\omega xdx \\ f(x) = \frac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty} F(\omega)cos\omega xd\omega $$
f(x)が奇関数のとき、フーリエ正弦変換フーリエ正弦逆変換となる。
$$ F(\omega) = -2i\int_{0}^{\infty} f(x)sin\omega xdx \\ f(x) = \frac{i}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty} F(\omega)sin\omega xd\omega $$ フーリエ変換の例として、時間領域のデルタ関数(超関数≠普通の関数) \( \delta(x-0) \) の周波数スペクトルは定数 1 になる。つまり周波数に関わらず 1 だから,全部の周波数成分が等しく含まれている。逆にいうと,あらゆる周波数成分を等しく重ね合わせるとデルタ関数が作り出せる(フーリエ逆変換)。

さらに、時刻\( x_1 \) にインパルスが立っているデルタ関数\( \delta(x-x_1) \)はフーリエ変換すると、\( F(\omega) = e^{-i\omega x_1} \) つまり螺旋 \( cos\omega x_1 – isin\omega x_1 \)となる。以上の定数 1 になるのは\(X_1=0\)のときの特例である。

合成積と関数の積

合成積(畳み込み)$$ f*g(t) = \int_{-\infty}^{\infty} f(x)g(t-x)dx $$
合成積のフーリエ変換 $$ F[f*g(t)] = F[f(x)] F[g(x)] $$
関数の積のフーリエ変換 $$ F[f(x)g(x)] = \frac{1}{2\pi} F[f(x)] F[g(x)] $$

フーリエ変換の性質

線形性(重ね合わせの原理) $$ F[af(x)+bg(x)] = aF(\omega)+bG(\omega) $$
伸縮性 $$ F[f(ax)] = \frac{1}{|a|}F(\frac{\omega}{a}) $$
変数シフト $$ F[f(x+a)] = e^{-ia\omega}F(\omega) \\ F[e^{ia\omega} f(x)]=F(\omega-a) $$
対称性 \( F[f(x)]=F(\omega) \)のとき、$$ F[F(x)]=2\pi f(-\omega) $$
共役性 $$ F(-\omega) = \bar{F}(\omega) $$

微分、積分のフーリエ変換

\(f(x)\)が区分的に滑らかで連続、絶対可積分のとき、
$$ F[f'(x)] =i\omega F[f(x)] \\ F[f^{(n)}(x)] = (iw)^{n}F[f(x)] $$
\(f(x)\)が区分的に滑らかで連続、絶対可積分、かつ\( \int_{-\infty}^{\infty}f(x)dx=0 \)の時
$$ F[\int_{-\infty}^{\infty}f(t)dt]=\frac{1}{i\omega}F[f(x)] $$

パーシバルの等式

$$ \int_{-\infty}^{\infty} |f(t)|^2 dt = \frac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^{\infty}|F(\omega)|^2 d\omega $$

離散フーリエ変換・逆変換

サンプリング定理から、ある関数(画像、音声など)をそれのもつ最大の周波数の2倍以上の細かさでサンプリングしておけば、つまりサンプリング間隔ナイキスト間隔以下にすれば、サンプリングされたもの(ディジタル画像,ディジタル音声)から元の関数を再現できる。例として、CDはサンプリング周波数が44.1kHz→22.05kHzまでの音声が記録できる。逆にいうと、録音時にそれ以上の周波数の成分が入らないようにしなければならない。またフーリエ逆変換すれば、理論上サンプリング値から得た周波数成分がサンプリング値に戻る。

アナログ信号からサンプリングしたデジタル信号から、フーリエ変換・逆変換は離散フーリエ変換・逆変換と変身する。離散フーリエ変換(DFT: Discrete Fourier Transform)は次の式で表される。
$$ F_n = \frac{1}{N} \sum_{k=0}^{N-1}f_k e^{-i \frac{2n\pi}{N}k} = \frac{1}{N} \sum_{k=0}^{N-1}f_k \bar{\zeta}_{N}^{nk} \\(n=0,1,2,3,…N-1)$$
離散フーリエ逆変換(IDFT: Inverse Discrete Fourier Transform)は次の式で表される。
$$ f_k = \sum_{n=0}^{N-1} F_n e^{i \frac{2n\pi}{N}k} = \sum_{n=0}^{N-1} F_n \zeta_{N}^{nk} \\ (k=0,1,2,3,…N-1)$$
ただし、\( \zeta_{N}^{nk} = e^{i \frac{2n\pi}{N}k}, \space \bar{\zeta}_{N}^{nk} = e^{-i \frac{2n\pi}{N}k}\)

\( \zeta_{N}^{nk} \)をフーリエ行列\( (\zeta_{N}^{nk}) \)にして、フーリエ行列から周波数成分が求まる。フーリエ行列\(M_N\)の複素共役行列による離散フーリエ変換の表現(周波数成分)は次の式で表される。$$ F_N = \frac{1}{N}\bar{M}_Nf_N $$
フーリエ行列\(M_N\)による離散フーリエ逆変換の表現は次の式で表される。$$ f_N = M_NF_N $$ただし、\( M_N = (\zeta_{N}^{nk}), \space \bar{M}_N = (\bar{\zeta}_{N}^{nk}) \)

またフーリエ行列から周波数成分を解く離散フーリエ変換を高速に実行できるのは高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)である。FFTで計算すると、離散フーリエ変換での\(\small N(2N-1)\)回の計算が、約\( \small \frac{N}{2}(3log_{2}N-1) \)回の計算まで縮まる。\(\small N=2^{10}=1024 \)ならば、2,096,128回の計算が、約14,848回まで減少する。

これで、周波数帯域のスペクトル、ある周波数成分の調べたり、ある周波数成分のフィルタリング(雑音除去)したり、ある周波数成分の挿入したり、フーリエ変換・逆変換が活用される。

ラプラス変換・逆変換

フーリエ変換の複素数\(i \omega \)から\(s=\sigma+i\omega \)に拡張して、殆どの\(f(t)\)が絶対可積分となって、ラプラス変換は次の式で表される。
$$ F(s) = \int_{-\infty}^{\infty} f(t) e^{-st} dt $$
ラプラス逆変換は次の式で表される。
$$ f(t) = \frac{1}{2\pi i} \int_{\sigma – i\infty}^{\sigma + i\infty} F(s) e^{st} ds $$

Z変換・逆Z変換

ラプラス変換の\(f(t)\)をサンプリングした離散信号を\( x(n), z = e^{\sigma + i\omega T} \)とおくと、Z変換は次の式で表される。
$$ X(z) = \sum_{n=-\infty}^{\infty} x(n) z^{-n} $$
逆Z変換は次の式で表される。
$$ x(k) = \frac{1}{2\pi i} \oint_{c} X(z) z^{k-1} dz $$

(広義的)周波数領域のイメージ表現例

Laplace-Fourier-tranform
ラプラス変換、フーリエ変換のイメージ表現例

Z-tranform
Z変換のイメージ表現例

ただし、\( F(s)、F(z) \)の実際は複素数である。

最後に

共にフランス科学者のフーリエ先生(徒)、ラプラス先生(師)は実の師弟関係だ。減衰振動等微分方程式と代数方程式の橋渡し役、即ち微分方程式の解き方としてのラプラス変換・逆変換が公開されたに対して、波動方程式、熱伝導方程式の解き方として、また完全正規直交関数系である\( \left\{ \frac{1}{\sqrt{2 \pi}},\frac{cos nx}{\sqrt{\pi}},\frac{sin nx}{\sqrt{\pi}} \right\}(n=1,2,3…) \)、つまり実数、正弦関数、余弦関数を組み合わたフーリエ級数から無限次元ベクトル空間が構成可能で、更に条件付き関数を時間領域\(f(t)\)または距離領域\(f(x)\)から周波数領域\( F(\omega)\)の表現に転換可能なフーリエ変換が物事/世界の新たな一面を切り拓いた。やがて離散フーリエ変換に基づいたアナログ~デジタルのサンプリング定理等デジタル信号処理に大いに貢献した。
★Jean Baptiste Joseph Fourier、Baron de、1768年3月21日~1830年5月16日、フランスの数学者・物理学者
★Pierre-Simon Laplace、1749年3月23日~1827年3月5日、フランスの数学者、物理学者、天文学者

参考書籍

フーリエ変換、佐藤敏明氏著、ナツメ社出版
今日から使えるフーリエ変換、三谷政昭氏著、講談社出版

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ブラシレスDCモータ~Hブリッジ回路

概要

DCブラシレスモータはブラシや整流子に依存しなくなり、代わりに整流用の半導体デバイスを使用する。同期モータの一種で、特性はDCモータと同様。速度はモータ電圧に比例し、トルクはモータ電流に比例する。下図のように、回転部としてのロータは外側にある、アウターロータ型モータと呼ばれるのを例に説明してみる。回転子の内周には磁石が配置されており、U、V、W相コイルの位置は120°ずれている。三相コイルは中心(中性点)で互いに接続されている。U、V、W相コイルの外側にホールセンサが配置され、出力信号はプルアップされて制御プロセッサに入力される。アウターロータ(回転子、磁石)のN極がホールセンサに近いときはH、S極がホールセンサに近いときはLとなる。

三相ブラシレスDCモータの例
三相ブラシレスDCモータの例

Hブリッジ回路でモータ制御

ブラシレスDCモータを駆動するHブリッジ回路の一例は下図のように示される。

BLDCM_H-bridge
BLDCM_H-bridge

下図のように、120°矩形波のU、V、W相ホールセンサと、U、V、W相電圧のH、Lの対応関係が分かる。
BLDCM_Pullup
BLDCM_Pullup

よって、アウターロータが一周360°回転の場合、U、V、W相ホールセンサのUH、UL、VH、VL、WH、WLがそれぞれ180°、U、V、W相電圧のUH、UL、VH、VL、WH、WLがそれぞれ120°と分かる。
ブラシレスDCモータには、FOC(ベクトル周波数変換、磁界ベクトル方向制御とも呼ばれる)、方形波制御(台形波制御、120°制御、6ステップ整流制御とも呼ばれる)、正弦波制御の3つの主な制御方法がある。

矩形波制御

矩形波制御は、ホールセンサまたは無誘導推定アルゴリズムを使用してモータの回転子の位置を取得し、360°の電気サイクルで回転子の位置に応じて6回の転流(60°の転流ごと)を実行する。各転流位置モータは特定の方向に力を出力するので、矩形波制御の位置精度は電気的に60°であると言える。この制御では、モータの相電流波形は方形波に近いため、矩形波制御と呼ばれている。

正弦波制御

正弦波制御方式はSVPWM波を使用し、出力は三相正弦波電圧であり、対応する電流も正弦波電流。矩形波制御と比較してトルク変動が少なく、高調波が少なく、制御時の「細かい」感じが明らかだが、制御器の性能要件は矩形波制御よりわずかに高く、モータ効率が発揮できない。

FOC制御

正弦波制御は、電圧ベクトルの制御を実現し、間接的に電流の大きさの制御を実現するが、電流の方向を制御することはできない。 FOC制御は、電流ベクトルの制御、すなわちモータの固定子磁界のベクトル制御を実現する正弦波制御の改良版と見なすことができる。

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